真実は万能ではない

真実でさえ、時と方法を選ばずにもちいられてよいということはない。

~ モンテーニュ(哲学者) ~

真実という言葉は、その字が表す通り、嘘偽りのない真という意味です。
世の中は、真実と虚偽で作られていると言っても過言ではありません。

では、いついかなる時でも真実を持ち出していいのかというと、必ずしもそうではありません

嘘をつけと言っているのではありません。
ただ、例え真実であったとしても、それを用いるのには、機を見なければいけないということです。

結果だけで見るならば、いつ真実を用いたとしても、変わりはないのかもしれません。
しかしながら、「用いるべき時」があるのと同じように、「用いるべきではない時」も存在するのです。

物事の本質というのは、非常にシンプルなものです。

「やる」「やらない」か。
「真」「偽」か。

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端的に書けば、どんな複雑な問題であろうとも、突き詰めれば、上のパターンのいずれかに分類されることでしょう。

だからと言って、いつでも「真実」を用いていいわけではありません。

「真実」を持ち出したからこそ、火種を作り出してしまうこともあるのです。
それまで上手くいっていたことが、「真実」が明らかになったことにより複雑化する可能性もあります。

確かに、「真実」は揺るぎようもない事実です。
ですが、その事実を踏まえたうえでも、人間には様々な感情があります。

事実から目をそらせと言っているのではありません。
ただ、「真実」に囚われるあまり、大切なものを見失ってしまうことがあることを忘れてはいけません。

「真実」はどんな問題にも効く万能薬ではないのです。

物事の本質を見極めることは、とても大切なことです。
しかしながら、時を考えず「真実」を振りかざしてはいけません。
物事には必ず機というものがあります。その機を見極める力を鍛えましょう。

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