上手なあいづちは、人の心の真実を汲み出す誘い水である。
~ 吉川英治(小説家) ~
どんな人間でも、多かれ少なかれ本心を隠しているものです。
それは、世にいう「本音と建て前」そのもの。
年齢を重ねるほどに、自分の心をさらけ出す機会は減っていくものです。
だからこそ、社会は回りますし、みんながみんな本心で話していたら、まとまらない世の中になってしまうことでしょう。
胸に秘めておくことと、口に出して言うこととは、雲泥の差があります。
不思議なもので、人間というのは言葉に出してしまうと、良くも悪くも行動に移そうとしてしまいがちです。
各々が好き勝手なことをしてしまえば、社会は成り立ちません。
しかしながら、誰にも心を開かずに生きていくことは大変です。
自分が大切だと思う人には、知ってほしいと思いますし、相手を知りたいと思うことでしょう。
基本的に、人は人と繋がっていたいものです。
ですが、同じくらい、傷つけられたり裏切られたりすることを怖れるものです。
あなたが相手の心の真実を知りたいと思うのなら、まずはあなた自身が相手に心を開きましょう。
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その上で、相手の話を聞くのです。
無理のない自然なあいづちで、相手を知ろうと意思表示をするのです。
傷つくのが嫌だと恐れていては、一生、分かり合える相手を見つけることが出来ません。
誰かに傷つけられたとしても、これだけ人がいる中のほんの一部だということに気がつきましょう。
落ち込むことはないのです。
あなたの縁は、他のところに必ずあるのですから。
そして、忘れてはいけないのは、相手もあなたと同じように色んな経験を積んでいる一人の人間だということです。
その心の中には、傷つきたくない思いや、裏切られたくない思いがもちろんあります。
相手を知りたいと思う心は、尊くて素晴らしいものです。
ただ、本当の心が知りたいのであれば、あなたの相手へのイメージは全て捨てましょう。
逆の立場で考えてみればわかると思うのですが、自分への特定のイメージを持たれていると、どうしても本心を言い出しにくくなるものです。
目で見えなくても、触れなくても、心は存在するのです。
心から知りたいと思う時に自然に出るあいづちは、相手の心を安心させます。
相手も同じように心を開いた時、その胸に秘めている本心を語り始めるでしょう。