一人で考えていると、どんどん妄想はふくらんでいくのである。想像力というのは果てしない。果てしないぶんだけ間違った方向に進むと、事実とかけ離れたところに行ってしまう恐れがある。行き場を間違えないようにするためには、人とコミュニケーションをとった方がいい。
~ 岩村匠(小説家)~
人間の思考というのは、果てがありません。
想像力豊かな人は、椅子に座っていながら、時間も現実も常識も科学も超えた世界を見ることが出来ます。
想像力というのは、人間に与えられた素晴らしい能力だと、常々思います。
ただし、その想像力は、あくまでも自分の世界のルールであり正義であり常識のこと。
いい方向への想像なら構わないのですが、問題は悪い方向へ想像してしまった場合です。
これは特に、恋愛関係で注意しなければなりません。
たとえば、
「あいつは俺を好きなはずなのに、なんでほかの奴とつきあっているんだ」
「あの人私のことが好きなのに、どうしてほかの人に優しくするの」
数え上げるときりがないのですが、この想像力が常軌を逸してしまうと、妄想に変化して、ストーカーなどの犯罪行為に走るのでしょう。
本来であれば、周りの誰かが「そんなことないよ」と言っているはずなのに、それをかたくなに受け入れず、ただただ自分の常識やルール内で妄想して、相手の都合も考えず一方的な要求をするだけ。
そして、それが拒否されると、逆上して相手に危害を加える。
妄想を現実にしようとしたのに、できなかったことが耐えられないからなのでしょう。
妄想は、あくまでも妄想です。
現実にしようとすれば、必ず誰も幸せにならない結末になります。
恋は盲目とはよく言ったものです。
本当に、恋愛中は相手のことを全信頼をし、欠点すら愛おしいと思うことでしょう。
恋愛とは、一種の洗脳状態に近いものですから。
だからこそ、冷静な目で分析できる他人の目が必要となります。
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親、兄弟、友達、恩師、先輩、後輩、上司、部下など、あなたの周りにはたくさんの人がいます。
自分をよく知る人たちが、口をそろえて相手のことを悪く言うのであれば、一度、立ち止まってよく考えてみることです。
むかつくかもしれませんし、そんなことないと思うかもしれません。
でも、その根拠はありますか?
指摘されたことを、きちんと説明できますか?
好きだから。
いい人だから。
素敵な人だから。
そんなことは、理由にはなりません。
指摘されたことを、ちゃんと説明して行動で表す人なら、信頼しても大丈夫でしょう。
ですが、
「俺(私)のことより、周りの人を信じるの?」
「俺(私)はこんなに君のことを信じてる(愛してる)のに」
というならば、その人は要注意人物でしょう。
本当にあなたを大切に思うのなら、本当にあなたを愛しているのなら、大切なあなたが自分のせいで心配されていることを、なんとか打破したいと思うことでしょう。
その心こそ、誠意。
その誠意ある行動が伴わない人は、必ず、あなたを裏切り失望させます。
なぜならば、その人は、自己保身が強く自分だけ良ければいい人だからです。
恋というものは、とても素晴らしいもの。
ですが、一種の洗脳状態にもなり得る危険なものだということを、心の片隅に置いておきましょう。
そして、周りの人の声は、よく聞きましょう。
皆が同じようなことを言うのであれば、その話はとても信用できるものだといえます。
あなたが愛する価値が、あなたが人生をかける価値が、本当にその人にあるのかどうか。
周囲の心配する声は、そのまま、あなたの幸せを心から願っている声です。
邪険にすることなく、真摯に聞き入れ、考えてみましょう。