恋愛への偏見

恋愛は人情の永久的な音楽であり、青年には希望を老年には後光を与える。

~ スマイルズ(イギリスの作家)~

恋愛というものについて、人の意見は実にさまざまです。
生きていくために必要なものという人もいれば、まったく興味もわかない非効率的なものという人もいます。

そもそも、恋というものは、自分の理性と関係なく落ちるもの。

こればかりは、誰にも予想がつきません
もちろん、本人にもです。

ただ、昨今、恋愛に関して否定的な意見も目立つようになりました。

いわゆる「結婚は無駄」「恋愛は非効率」など、まるで恋愛に何の価値もないどころか、悪もののような印象を与える意見です。

確かに、恋に落ちると、相手のことを考える時間が多くなりますし、一挙一動に喜んだり落ち込んだりして、自分の心が思い通りにならないものです。

今の時代、自分でコントロールできるものが良しとされ、コントロールできないものは価値なしと考えている人も多いように見受けられます。

これは、それこそ時代によるものでしょう。

豊かな時代になり、いつでも望む時に望むものが手に入るようになった時代。
職場や学校では時間の拘束や責任がありますが、プライベートでは自分の都合を最優先にできる世界になりました。

深夜でも欲しいものがあれば、開いている店がある。
連絡もいつでもできるようになり、相手が読んだかどうかまで確認できる。
家にいながら、買い物も食事も届けるサービスがある。
ネットやSNSや動画など、自分の都合のいい時間に見たいもの、知りたい情報を得られる。

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数え上げるときりがありません。

そんな中で、恋愛という、自分の都合関係なく振り回されるものに対して、警戒する気持ちはよくわかります。

ですが、逆に言えば、恋愛はそれだけ謎なものなのです。

初恋、片思い、両想い、失恋など、恋に関する言葉がたくさんあるように、恋愛というものは人間の歴史とともに歩んできたものです。

ネットの情報を見れば、恋愛や結婚生活でのおどろおどろしい話が山のようにあって、無意識のうちに避けたくなるのも理解できます。

しかしながら、どれだけネットの情報を読んだとしても、あなたの恋愛が誰かと同じような失敗をするとは限らないのです。

現に、恋愛や結婚生活に満ち足りてる人は、SNSで自慢する承認欲求すら必要ないのです。目の前に、手の届く範囲に、幸せが満ちているから。

ネットの情報は、あくまでも誰かの経験した情報
そして、あなたの人生は、あなたが経験し作り上げていくもの

恋愛を頭ごなしに否定することは、もしかしたら、自分の心の支えとなる人との出会いすら拒否していることになります。

確かに、恋愛はすべてが幸せな結末となると言い切れません。
心が傷つくこともあるでしょう。絶望することだってあるかもしれません。
でも、もし心からわかりあえる伴侶に出会えたのなら、それこそ、何ものにも代えがたい宝となるでしょう。