仕事が終わらない理由

出る杭は打たれるが、出すぎた杭は誰も打てない。
出ない杭、出ようとしない杭は、居心地は良いが、そのうちに腐る。

~ 堀場雅夫(実業家) ~

良くも悪くも、日本の職場では未だ昔の慣習にとらわれているところが多いものです。

もはや悪しき風習と言っても過言ではないのが、

残業しているやつが偉い。
上司に進言するのは厳禁。
スケジュールはその時々の気分で変える。

もっとあるとは思いますが、さっと思い返しただけでもこれだけあります。

この記事を読まれている方の中には、今、上司の立場だったり、これから社長になるという立場の人がいるかもしれません。
もし、あなた方が権力を持った時は、ぜひ今の不満を解消するように改革していただきたいものです。

まず、残業しているやつが偉い?そんなはずありません。
こんな話、本来なら語るまでもない話なのですが。

実際に職場で働く人を見てわかると思いますが、本当に真面目に時間をやりくりして残業している社員はほんの一部。
おそらく、真面目にやっているのに終わらないという人は、後述の「仕事を遊びの一環」と考えている人の尻ぬぐいを押し付けられているのが殆どです。

喜んで残業している人を見る限り、学生時代の部活動のノリで「むしろ5時からが俺の仕事だ!」と言わんばかりにはりきる人が多いものです。

残念なことに、使えない上司にこのタイプが多いのも事実。
そう、日中は大体が意味のない会議や無駄な打ち合わせなどでダラダラと過ごし、毎日夜遅くまで残業しては「俺は頑張っている」とアピールするのです。

ハッキリ言いましょう。
周りは、そんな働き方をしている人を、心底軽蔑しています。
仕事は遊びではないのです。そんな頑張り方をしている人を、誰が正当に評価するでしょうか。

仮に、その考えに共感した部下がいたとしても、「虎の威を借る狐」の如く、結局は終わらない仕事を他の人に丸投げして、「上司の意向だから」と威張り散らすタイプが多いのです。
同じレベルだからこそ共感するわけですから、仕事ができるはずもないのです。

そんなぬるま湯につかっているような働き方では、いざ会社が倒産して転職せざるを得ない場合になった時に、誰からも声がかかりません。
まして、次の職場で、仕事を引き受けてくれる(押し付けられる)人がいるとも限りません。

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結局は、人に迷惑をかける働き方をしていると、今の自分の価値が下がるばかりか、将来の保険にすらならないのです。

自分の仕事に真摯に向き合い、時間内に終わらせるようにあれこれ模索しながら日々頑張っていれば、仮に倒産したとしても、次の職場でもうまくいくことでしょう。そればかりか、働きぶりが他の人の目に留まっていれば、引き抜きのチャンスすらあるかもしれません。

仕事を頑張るということは、上司のためでも会社のためでもなく、結局は自分のためになるのです。

あと、前述の「仕事を遊びの一環」として考えるタイプに多い癖が、「新しく思いついた案をすべて尊重する」というものです。
この考えにより、大幅にスケジュールが狂い、他の人を巻き込んで残業の嵐になることも多いでしょう。

確かに、新しく思いついた案が素晴らしい場合もあります。
しかし、最初に検討して作る予定のものを作らずに、仕様変更を続けていくと、結局は二度手間になる可能性もあるのです。

なぜならば、新しく思いついたものが素晴らしいものとは限らないからです。

人間は新しく思いついたことがさも素晴らしいと錯覚しがちですが、必ずしもそうとは限らないので、最初に組んだスケジュールで大まかなものは作ってしまうべきです。
作ったうえで、こうした方がいいとかああした方がいいとか変更すべきです。

ここで、仕事が終わらない原因がでてきます。

まず、真面目に仕事を終わらせようと思っているのに終わらない人は、他の人の仕事を押し付けられているから。
自分の仕事を終わらせても、次々と他の終わらない仕事が来るので、一向に終わらないのです。これはもう職場を変えるか、職場の人間の意識を改革するかしない限り、改善しないでしょう。

次に、残業して楽しいけど仕事が終わらない人は、新しく思いついた案に手を付けすぎてスケジュール管理が出来ていないから。
スケジュールを守って仕事をしてみましょう。驚くほど効率的に終わります。
決して、新しい案を思いついたから作り直したりしないことです。
それと、安易に他人に仕事を頼まないこと。あなたが他人に頼んだ仕事は、他の人のスケジュールを壊すということを忘れてはいけません。

会社という組織に属している以上、みんながそれぞれの能力をきちんと発揮すれば、全員が知事で帰ることだって本来は可能なはずです。
まずは自分の仕事は自分でやり、スケジュールを守り壊さないように意識してみましょう。
夢物語のように思えるかもしれませんが、それでも、意識改革をしなければ、残業する日々は続いていくのです。負の連鎖はここで断ち切りましょう。